色とりどりの樹相の織り成す景観が、京都の嵐山に似ているのだそうです。右手の鞍部は小仏峠。手前の集落は千木良地区。
嵐山からの相模湖は、「かながわの景勝50選」の一つです。
京王バス: 高尾駅北口 ← 小仏
地理院地図: 嵐山
嵐山の天気: 神奈川県相模原市緑区 , 相模湖駅 , 小仏
レポ: 景信山(ネコ踏まないで)
2月26日、高尾山麓に咲く福寿草を見に行ってきました。美しく咲くのは日が高く上った昼前後。その前に嵐山、後に景信山に登って、少し変則的な一日コースになりました。
まずはJR相模湖駅から、どこかキラキラ輝くような湖畔の町を通り抜けて相模湖大橋に向かいます。橋まで来ると、すでに嵐山は目の前です。橋の中央付近にある「相模湖大橋」バス停から、下流方向を遠望すると、きょうの最終目的地である景信山が見えています。その右手に往時の小原宿と小仏宿とを結んでいた小仏峠が意外に高く見えます。とはいえ歩くことを厭わぬ足には、知らず知らすのうちに行けてしまう距離です。
相模ダムわきの休憩所前に、「産霊宮水上神社参道」と書かれた石碑が立っています。今朝はここから嵐山をピストン登山します。山頂までわずか800mの小さな山ですが、嵐山からの相模湖は「かながわの景勝50選」に選ばれています。
好天にも恵まれ、山頂からは素晴らしい春の相模湖がよく見えました。桂川のはるか向うには、滝子山をはじめ、中央沿線の懐かしい山々が、淡い春霞の色を帯びています。反対側を眺めると、高尾山から陣馬山へと続く稜線が、順光を受けて明瞭な色彩です。この景観が京都の嵐山とどこまで比較できるのか知りませんが、上の写真をご覧ください。
嵐山を下りたら、農家の庭先をかすめながら東海自然歩道をてくてく歩き、弁天橋に向かいます。この吊橋から相模川の流れを見下ろすと、ずっと先まで、草野心平の詩のように、春の光がまぶしくあふれていました。立ち止まって深呼吸。
千木良(ちぎら)という美しい名を持つ集落から、きょうの主目的である福寿草を見に行きます。そこに行くのは初めてでしたが、地元の人に道を尋ねて、スムースに到着。栗の木の植えられた山の斜面に、たくさんの福寿草の花が、ちょうど太陽の光を受けて開き始めようとしていました。この福寿草の群生を長年にわたり守って来られたご主人の話では、午後1時から2時くらいが最も美しくなるそうです。季節については、「今が一番良いとき」とのことで、嬉しくなります。
少しずつ日当たりのよくなって行く斜面に腰を下ろし、豆大福をほおばりながらお茶にします。実はここから富士見茶屋を経て城山に登ろうと思っていたのですが、これはカット。
目の前で春の日差しを受けて開花して行く福寿草。花に近づくときは福寿草の株を踏まないように足元を注意深く見ます。それからやや腹ばい気味になって肘を地面に着いて、カメラのファインダーの中に宝石のような花を取り込みます。80ショットほど撮りました。
福寿草のお花畑で1時間以上、山里の春を満喫しました。予定を変更したので、ここから美女谷温泉前を経由して小仏峠に登ります。そのまま一気に景信山まで行ってしまいました。
景信山頂には、ほとんど人の影がありませんでした。まもなく午後3時。谷から吹き上げる風に、スギ花粉がもうもうと舞い上がる様が良く見えます。あまり長居は禁物とばかり、早々に小仏バス停に下りました。
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